うっとうしい電話

しつこいセールス電話

以前、不動産のセールス電話が頻繁にかかってきて、とてもうっとうしかった。
いろいろな断り方をしてみたものの、違う会社名を名乗ったり、携帯の番号からかかってきたりして、セールスと分からないようにしていたようだ。
そのうち、知らない番号からの電話には出ず、知らない番号はネットで調べると、たいてい「迷惑電話」として検索で出てきた。
やっぱり出なくて良かったと感じた。
それにしても、その会社は、いったいいくつ携帯を契約しているんだろうか?
最初に会社名を名乗るではなく、個人名を名乗ってかけてくることも多かった。

こちらから名乗らない

迷惑電話への対策の基本は、「自ら名乗らない」ことだ。
この話を学生にすると、子どもの頃に親から「はい、○○です」と名乗りなさいと教えられたという反応が(ほぼ毎回)ある。
私の子どもの頃もそうだったような記憶がある。
職場の電話に出るならば、会社名を名乗るのはマナーだが、個人の電話では、名乗る必要は無い。
名乗ることで、こちらの名前を相手に教えてしまっているわけで、適当に電話をかけてくる相手からすれば、“ありがたくご丁寧な情報提供”となる。
私は電話が鳴り、知らない番号からであれば、「はい」とだけ言い、しかも、少し低めの声で出るようにしている。
電話に出る際に高めの声で出る人は多いので、その逆をしている。
すると、この段階で、こちらが誰か分かっていない相手は排除することができる。「どちらへおかけですか?」と尋ねて、「いやぁ…、いろいろな番号の方のご案内しておりまして…」と、電話の向こうの声がどんどんか弱くなる。
「誰にかけているか分からんような相手と話すことは無い」と言って、電話を切る。これで撃退完了となる。
何も言わずに「はい」とだけ言うと、「間違いました」と言って電話を切った人がいた。名前も何も言っていないのに、どうも不可解だと思ってネットで調べてみたら、どうも化粧品販売の勧誘らしく、男が出たら切れというマニュアル?のようなものがあるようで、他にも私と同じような経験をした人がいることが分かった。他方、女性はしつこくセールスされるのだそうだ。

相手がこちらのことを知っている場合

ところが、こちらの個人情報をある程度知っている相手は、少しやっかいだ。電話に出ると、こちらの名前を相手が知っていて、最初に確認され、その上で本題に入るというパターンだ。本当に用事のある人からの電話かも知れないので、相手がこちらの名前を知っている以上、「違います」とも言いづらい。
それでも、明らかに怪しい電話に対して、「違います」と言ったこともある。すると電話は切れる。また、「人妻?若い子?どっちがいい?」と言ったことがあり、すぐに電話が切れた(笑)。
いろいろ試してはみたものの、相手も手を変え品を変えて、電話をかけてくる。
「二度とかけてくるな!」と言ったこともあるが、どうせ無駄だと分かっている。そして案の定、またかかってくる。

マンション投資のセールス

特に多かったのが、マンション投資をしませんか?的な不動産の販売勧誘だった。

相手が持っているこちらの情報を探る

以前、暇つぶし?にセールスの電話に付き合ったことがあった。目的は、相手がどういう個人情報を持っているか?を探るためだ。どうやら、先方の会社が持っている名簿?では、私が某社の「正社員」ということになっているらしく、かつ、不動産投資に興味がある、それなりに裕福な人、ということらしい。(実は全部間違いだが…・笑)
その“某社”には心当たりがあるが、1年足らず期間限定の臨時嘱託職員として関わっていただけで、もちろん「正社員」などではないし、とっくに退職している。(もともと私がやっていた仕事を、その“某社”と一体的にこなしていく必要が生まれ、一時的に非正規の期限付き嘱託職員という形で雇用関係を結ぶことになった、という経緯)
ただ、その間に出張が多数あったので、おそらくそのどこかから私の個人情報が漏れたものと思われる。

不動産投資は捕らぬ狸の皮算用

「ローンを組んで不動産を買い、それを人に貸すことで、家賃収入を得ることができる」というのがセールストークだが、私は普段から「不動産投資はやめておけ」と豪語している人間だと知っているのだろうか?(まあ、おそらく知らんのだろうな。皮肉すぎるが…)
不動産投資をおすすめしない事情については、またどこかで書いても良いが、一言で言えば、このセールストークの問題点は、“捕らぬ狸の皮算用”だということだ。家賃収入を得るためには、必ず誰かが住んでくれる必要があるが、どこにそんな保障があるのか?
ちなみに、人に貸すために不動産(収益物件)を買う場合は住宅ローンは使えない(これ、知らない人が多い)。
ローンを組んでまで、どうしてそんなものを買わないといけないのか?という疑問は当然あるが、相手は買ってくれさえすれば良いのだ。
ローンは、公務員や会社員(特に有名企業)は組みやすいが、自営業・自由業・会社役員は組みにくい。公務員や会社員は安定的な収入が保障されているのに対して、自営業者や自由業者は保障されていないからだ。よほど安定的に稼いでいる人か十分な資産がある人でもなければ、経済的な意味での信用は低いし、そもそも十分な貯蓄があるならローンは必要ない。(もちろん、あえて借りる場合もあるが、そのあたりの話は割愛)
したがって、相手は、そもそもターゲットではない人(=私)に、時間をかけてセールストークをしているわけだ。(たぶん30分は超えていたはず)
これが確か1年から2年前の出来事。

相手が持っているこちらの情報を書き換える

試行錯誤

相手が誤った個人情報に基づいてセールスをしていることが分かったので、こちらとしても対処法が分かってくる。こちらの個人情報を持った相手から電話がかかってきた場合、「その“某社”は退職しておりますが…」と言えば良い。
ただ、そうすると、「今はどちらへおつとめですか?」と聞いてくる(まあ、予想通りだが…)。
「失業中です」と言っても良いが(そしておそらく、これも試したことがあるはずだが)、時間稼ぎにしかならないだろう。
相手が持っている個人情報のデータベース?から、私の情報を削除してもらわなければ、今の相手を断ったところで、また次から次から電話がかかってくるという状況は変わらない。
こうした経験の上で考え出したものがある。それは、自分には社会的信用が無いというアピールだ。

撃退成功事例

ある日、セールスの電話がかかってきた。相変わらず不動産投資だった。
「実は…、ちょっと言いづらいことなのですが、知人の借金の連帯保証人になっておりまして、その知人が先日自己破産したもので、私自身が支払わなければならなくなりました。しかし、そんなお金が無いので、現在自己破産の手続きの申請中でして、先ほど弁護士と話し合って帰ってきたところなのです」これ、完璧!
もちろん、知人が云々はどうでもいい。自分が自己破産の手続き中であるというところさえ伝われば良い。
自己破産の手続き中ということは、ローンはまず組めないだろうし、他人に貸す家を買う余裕などあろうはずもない。
これを何回か(たぶん数えるほど)繰り返しているうちに、不動産セールスの電話はまったくかかってこなくなった。
信用情報に影響するのでは?と不安に思われるかも知れないが、不動産セールスの電話から信販会社に情報が回ることはまず無い。(というか、不動産セールスをしている人たちが、わざわざ「この人、破産の手続き中ですよ」などと信販会社に連絡することもないだろうし、信販会社も信用しない)
セールスの電話が無くなったということは、相手のデータベースから私の情報が削除されている可能性が高いと考えられる。(あくまで推測だが…)
とりあえず、この1年ぐらい試してきた成果を書き留めておくことにした。
必要な方は参考にしていただきたい。