いよいよ統一地方選

ここには政治的な主義主張は書かないと心に決めているので、政治に関することについては、選挙制度のこと等を書くにとどめている。

大阪の選挙事情

今期の特徴

今回、大阪は選挙の嵐になる。
4月7日、大阪府知事選、大阪市長選、大阪府議選、大阪市議選、4つの選挙が行われる。このうち、大阪市長選と大阪市議選は、大阪市民のみが対象のため、大阪市以外の大阪府民は、大阪府知事選と大阪府議選の2つとなる。

少なすぎる選択肢の原因は敵前逃亡?

従前の選挙と比較した特徴は、候補者が少ない点だ。府議選では、既に無投票当選が決まっている選挙区もある。相撲で言うところの不戦勝である。
いや、相撲の不戦勝ならまだマシだ。
議員の無投票当選では、その議員は府民の税金で飯を食うわけで、府民の立場からすれば、其奴らに飯を食わせるわけで、本当にこれで良いのか?
主義も主張も公約も不明、議員になって何がしたいかもよく分からない。
これでは、あとから、公約を守れ、とも言えない。
その地区は、その無投票で当選した議員の独占で、まさしく領主様と同じではないか!
もっとも、府議会議員は選挙区に分かれているというだけで、各市町村議会や市町村長は別にいるので、領主様ほどの権威はないのだろうが…
それにしても、おもしろくない。いや、おもしろくなさすぎる!
この他にも、定数1に対して候補者2、定数2に対して候補者3など、選択肢が少ない選挙が目立つ。

長のダブル選挙

「長の交代」への賛否

大阪府知事選と大阪市長選は、当初は、今回の統一地方選の対象ではなかった。それが、大阪府知事が辞職して市長選に出馬し、大阪市長が辞職して知事選に出馬するという、いわゆる“ダブル選挙”という形を取ることになった。
ここで「いわゆる」という用語を使っているのは、公式用語ではないし、特定の候補者ないし政党を支持するわけでも、また批判するわけでもないという意図である。
このやり方については、肯定も否定もあり得る。ただ、重要なのは、選挙のやり方がどうか?という問題よりも、彼らが「当選後に」やろうとしていることがどうなのか?ということだ。
A小学校の校長とB小学校の校長が入れ替わろうとしているとする。それが教育委員会の指示で行われたとして、文句を言う人がいるだろうか? おそらく、誰も何も言わないし、こういう事例は珍しいことではない。
深いわけはないかも知れないし、出世争いにおける双方への配慮があるのかも知れない。また、それ以外の力(例えば上層部の権力争い等)が作用しているのかも知れない。それでも、たぶん、誰も何も言わない。
校長は税金から給料を受け取っているわけだから、税金で飯を食うという点でも、今回の選挙と変わらない。
知事も市長も行政の長であるが、校長はその学校の長であるという点でも、今回の選挙と何ら変わらない。
違いがあるとするならば、選挙があるということだ。
校長が替わったとして、仮に不満があっても文句を言えない。言ったところで、どうにもならない。しかし、選挙であれば、選挙権を行使して、批判することができる。
となると、校長の交代よりも、行政の長の交代劇の方が、まだ健全なのかも知れない。
これは実際にあった話だが、ある小学校の校長は、卒業式で小学6年生に卒業証書を授与し、その直後、同じ校区の中学校の校長になった。卒業証書を授与されて校長の下を巣立っていったはずの小学生は、中学に進学して、母校の校長であったはずの人物から、入学式の式辞を賜ることとなった。
なぜこのような人事になったか、私は知るよしもないし、誰からも事情は聞いていない。教師の転勤は良くあることだが、上記のような校長の転勤というのは、さすがに聞いてビックリした。

やり方の是非は「どうでもええ」

選挙の話に戻る。
したがって、私は、ダブル選挙だからという理由だけで賛否を決めることはナンセンスであると考えている。その是非は、正直「どうでもええ」。
今回の大阪のダブル選挙は、長が交代するというだけで、中身については、現職を信任するか/しないかが争点となる。
いずれの選挙でも、現職と対抗馬1人による一騎打ちの選挙となる。
賛成か反対か、白か黒かの選択ということだ。グレーも無ければ、赤も青も無い。