指定席のメリット

確実に座れる

指定席を予約するメリットは、何と言っても「確実に座れること」だ。
列車の種類によっては、指定席だけ座席シートが違ったりコンセントがあったりと、別格のようになっていることもあるが、やはり指定席の一番のウリは「確実に座れること」だ。
ところが、これはメリットばかりとは限らない。

世の中、甘くない!

迷惑客に遭遇

先日のこと。ある特急列車の指定席に乗っていたら、途中の駅から酔っ払った感じの男が乗ってきて、私のすぐ真後ろの席に座った。しかも!携帯を持って大きな声で話し続けている。
特急の車内が静かだったこともあり、その男の話し声が丸聞こえだった。
会社の同僚ということになっている女性と会っていたらしいが、それは会社の同僚という設定?であって、実は人妻なんだそうな。
話している当の本人が独身か既婚者かは会話では分からなかったが(別に知りたくもないが…)、相手が人妻である以上、不倫である。不倫をしていることを、電話の相手に自慢しているようだが、静かな特急列車の車内で自慢することか!?
しかも、自分が今特急に乗っていることも電話で話していた。電話の相手も、電話切るように言えよ。
こんな奴の前に座らされ、聞きたくもない不倫の自慢話を聞かされる身にもなってみろ。

注意したいところだが…

注意しようかと思ったが、昨年の新幹線で起きた事件のように、刺されても嫌だし、相手は酔っ払いで、まともに相手にするのも馬鹿馬鹿しい。もしここで注意して、刃物で刺されたら、どんな報道がされるのだろうか?とか、少し想像してみた。

よくある報道パターン

翌朝の朝刊に、「昨夜、○○線を走る特急列車の車内で、男性が刃物で刺され、まもなく死亡しました。死亡したのは青木慎太朗さんで、同じ列車に乗り合わせていた乗客の証言によりますと、青木さんは事件の直前、車内で携帯電話を使用して通話していた男性を注意したところ、男がいきなり刃物で青木さんを刺し、青木さんはそのまま車内で倒れたということです。青木さんの他にけが人はいませんでした。この事件の影響で○○線は一時、全線で運転を見合わせ、約?万人に影響が出ました。青木さんを刺したのは、??市??町に住む自称・会社員△△容疑者で、△△容疑者は駆けつけた警察官に殺人の疑いで現行犯逮捕されました。調べに対し男は容疑を認め、「不倫をして浮ついていた。電話を注意されカッとなって刺したが、殺す気は無かった」などと話しているということです」とか報道されるのだろうか?
そして、「青木先生はいつも優しい先生でした」という学生のインタビューとか、「まさか△△さんがそんなことをするなんて…」というインタビューとかが流れるのだろうか。
いずれも、いつものパターン。被害者はだいたい聖人君主のような扱い、加害者も善人のような扱いを受ける。「あの人、何かやらかすと思っていましたよ」という声は、ほとんど出てこない。
会話の内容から、途中の駅で降りることは分かっていたが、そこまでまだ時間がある。少なくとも、それまで、こんなくだらん会話を聞かされるのだろうか?と思っていたら、途中から静かになった。乗務員に注意されたか、話題が尽きて電話を切ったか、詳しいことは分からないが、とりあえず良かった。
予定通り、その男は途中の駅で降りていった。

どこの誰か知らんが…

私の後ろに座っていたから、どんな男かは知らない。時間帯や会話の内容から、おそらく普段は真面目に働いている社会人なのだろう。もしかしたら教育者かも知れないが、同業者として勘弁して欲しい。
次の日から、またいつも通り、何食わぬ顔をして真面目に働いているのだろうか?
せっかく指定席に乗って座席は確保できたものの、こんな場面に出くわしたら、もはや拷問に等しい。

男よ、指定席の代金を払え!

どこのどんな奴かは知らん。名前も会社も知らん。お前の不倫がバレてもオレは困らん。だが、指定席の代金を返せ。返せというと鉄道会社にも迷惑だ。お前がオレの分も払うておけ。損害賠償としては算定できるからな。