注意喚起

世情が不安定になると、不確実な情報が出回ります。そして、そのことが、世の中の不安をあおる結果になります。
震災の時も同じことが起きていました。「ライオンが逃げた」とか「電車が脱線した」とか、事実ではない情報が氾濫し、人々に不安を与えました
今回の新型コロナウイルスに関連して、いろいろとワケの分からない情報が出回っています。
今の情報社会に生きていれば、日常生活の中で、否応なく多くの情報と接してしまいます
中でも、インターネットやSNSから届く情報は、誰が発信したのか分からない怪しげな情報であふれています
情報を受け取った時、まず真っ先に考えるべきことは、その情報が信頼できるのか?ということです。発信元が信頼できる友人であったとしても、その友人がその情報をどこで得たかが問題です。
また、社会が不安定な時期には、その不安につけ込んだ詐欺が発生します。特にひとり暮らしの高齢者が狙われやすいため、ご家族・ご親族におられる場合は、気にかけてください。

詐欺が発生しています!

新型コロナウイルスに関連した詐欺事件の情報です。主に警察が発表した情報に基づいて記載します。

特別定額給付金(仮称)=現金10万円給付関係

特別定額給付金(仮称)に関連した詐欺が発生しています。
市役所職員、総務省職員、警察、携帯電話会社が、電話やメールで給付金の連絡をすることはありません。
市役所等は住民基本台帳によって住所世帯を把握していますが、電話番号は把握していないことがあります。電話番号から住所を聞くことは絶対にありません
電話番号は市外局番+ランダムな数字で適当にかけられますので、そこから、住所や世帯構成等の個人情報を聞き出し、騙すターゲットを探しています「ひとり暮らしの高齢者」等の情報が欲しいのです。だから、絶対に教えないでください
以下のような電話やメールが届いたら、絶対に無視してください。
  • ATMの操作」を求めることはありません。
  • 手数料の振り込み」を求めることはありません。
  • 「世帯構成」「生年月日」「銀行の口座番号」を、電話や郵便、メールで問い合わせることは絶対にありません。
  • 「給付金」や「マスク配布」に必要だと言って個人情報を聞き出すことは絶対にありません
  • 「犯罪に利用されているので、キャッシュカードの交換手続きが必要」等と言ってキャッシュカードを預かることは絶対にありません
ここまで、主に大阪府警察本部からの情報に基づいて記しています。大阪府警察本部から【大阪府警察】安まちメールというのを無料で購読することができます。また、各市町村でも同様のサービスを行っています。近所でどのような犯罪が起きているのか、情報を早くつかむためにも、登録されることをお勧めします。
ひとり暮らしの高齢者が身内におられる方は、その方のお住まいの地域の情報も登録しておかれると良いでしょう。

「新型コロナウイルスに感染した」との電話

息子や親族を名乗る者が「新型コロナウイルスに感染した」などと言って電話をかけ、お金を振り込ませようとする事案が発生しています。
また、医療機関の関係者だと名乗って、同様の電話をかける事案も発生しています。
医療関係者が本人の代わりに家族に電話をかけ、お金の振り込みを求めることはありませんいったん電話を切り、こちらから本人に電話をかけるか、親族に相談してください
怪しい電話がかかってきた場合には、患者名・医療機関名を確認してください。その上で、いったん電話を切って、その医療機関に電話をかけ直してください

不確実な情報に注意しましょう

「詐欺」とまでは言えなくても、不確実な情報があふれています。
現時点で、新型コロナウイルスを治せるもの(治療法・薬)は存在しません
研究が進んでおり、その最中で、様々な期待や憶測に基づいて情報が流れますが、いずれも効果が検証されたわけではなく、科学的根拠は不十分です

根拠の無い情報の例

  • 「コロナウイルスは熱に弱く、26〜27度のお湯を飲むと殺菌効果がある」→これで効果があるなら、人間の体内に入った時点で殺菌できます。どう考えてもデタラメです。
  • 「新型コロナウイルスに葛根湯が有効」→科学的な根拠はありません。葛根湯は、予防のために飲むものではありません。逆に、体力の弱い人が飲み続けると、体力を低下させ、風邪を引きやすくなります
  • 「ウイルスの予防に紅茶や緑茶がお勧め」→科学的な根拠はありません。
  • 「30分に1回の軽いコップ1杯の給水で胃に流れて胃酸で死滅するようなので、予防にはお勧めです。」→科学的根拠はありません。ウイルスは目や鼻からも体内に入り感染します

発信源が特定できない情報の例

  • 「医療機関に勤めている人からの情報」→どこの誰?
  • 「新型コロナウイルスについて研究している人からの情報」→どこの誰?
  • 「クァク・グヨンの米国友人医師の伝言文」→誰?(たぶん実在しない人物)
  • 「深センの病院から武漢へ転勤になった同級生の甥」→修士号や博士号を取得した等、いくつかバージョンがありますが、いずれにしても、どこの誰だか分かりません

まとめ

信頼できない情報が届き、転送に転送を重ねたものや、「拡散」を呼びかけるものは怪しいです。
信頼できない情報を回さないでください。
下手をすると、自分自身の信頼を無くします
特に、医学や薬学の知識が必要な情報は、素人が間違えると重大な結果につながる危険があります。例えば、イブプロフェンの服用を控えるよう呼びかけるものがありましたが、イブプロフェンを処方されて服用している方が勝手に服用をやめてはいけませんどこの誰が書いたか分からない情報に惑わされることなく、主治医の処方を信じてください